平成29年12月14日 言論の自由と一橋大学の現実

 一橋大学(蓼沼宏一学長、佐藤宏・沼上幹・辻琢也副学長)の学園祭である「KODAIRA祭」で、百田尚樹氏の登壇予定だった講演会の中止される騒動が本年にあった。一橋大学は「自由の殿堂」と自称しており、自由最重視の大学として自己の地位を築いてきた。
 しかしながら、言論の自由の保障されない現実の環境は、「自由の殿堂」の名に値しない。言論の自由は、基本的な自由のなかでも極めて重要なものである。一部の学生だけでなく、一部の教員もその講演に反対したようだ。多くの人たちにとって最も不可解なのは、大学が当事者意識を発揮せず、自分たちとは無関係だとして、問題に堂々と関与しようとしなかったことである。いじめを見て見ぬふりをする中学校などと同じ態度だ。
 こんなことで、わが国の指導者となるべき人材を育成したり、わが国の学問的水準を高めたりすることができようか。「自由の殿堂」を標榜しているならば、自由が尊重されていることを自ら実践して模範を示すべきであろう。論文や著書ではどのような綺麗ごとも表明できる。重要なことは、大学として表明したことを自ら実践するとともに、実践できる人間を育成することである。

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