平成29年11月9日 慰安婦問題の解決法

 慰安婦問題は世界におけるわが国の名誉にかかわる重大問題だ。また、今日の日本外交の選択肢も強く制約している。そして今まで日本の月刊誌には、慰安婦問題に関する論文や記事が多数掲載されてきた。事実無根の著書や新聞記事によって、日本を貶める虚偽情報が世界に拡散したことを問題視するものだ。
 それらの論文や記事は何のために書かれたのであろうか。慰安婦に関する韓国の主張が虚偽であることを、多くの日本人は大分以前から知っていた。河野談話や宮澤喜一首相の謝罪も外交的な策略に嵌められたものであることを知っている。それと似たような結論の論文や記事を、なぜ月刊誌は多数掲載してきたのであろうか。日本人がそれを読んで、「やっぱり日本は正しかったんだ」と納得・安心させるためではないか。
 それらの論文や記事の執筆者は、世界の虚偽を日本人に詳しく知らしめ再確認させたと胸を張ったかもしれないが、それらが日本の月刊誌に掲載されても、慰安婦問題はいっこうに解決しない。慰安婦問題の真髄は、誤った情報が世界に拡散し信じ込まれていることなので、虚偽であることを知らしめるべき対象は、日本人ではなく外国に住んでいる人たちであるからだ。
 そのため、慰安婦問題を日本の月刊誌が日本語でいくら論じても、問題解決に貢献することはできないのだ。そうすることは自慰行為にほかならない。慰安婦問題については、外国人に対して英語で主張しなければならない。
 日本の月刊誌に論文や記事を投稿した人たちは、なぜ自分の主張を英語で発信しなかったのだろうか。慰安婦問題の虚偽性を告発する英語の著書が世界で2030も刊行されれば、世界の人たちは韓国人の主張などを信じなくなるだろう。英語力が不十分というのであれば、日本語で執筆して英訳を依頼することもできたはずである。数百万円の出費で一つの立派な著書ができたはずだ。マスメディアで売れている人たちにとって、この程度の金額は端金と思われる。むしろ印税が入った可能性もある。
 日本人の歴史家・研究者も、慰安婦問題について、なぜもっと目立った活動をしないのだろうか。世界の主要な学術誌に英語論文を投稿したり、英語の著書を出版したり、あるいは「戦争と性」に関して英語の学術誌を立ち上げて世界の言論をリードしたりすることもできたはずである。
 ほとんどの日本人にとってきわめて不可解なのは、外務省の態度である。慰安婦問題がこれほど重症化しているのに、外務省は国際会議やホームページで日本の主張・真実を詳しく説明することをしてこなかった。ホームページに十分に詳しい説明を載せるだけでも、世界の人たちを納得させ、日本に対する尊敬を取り戻し、日本の名誉を回復することができるはずだ。「韓国を刺激したくない」などと考えているようであるが、韓国はずっと日本に対する嫌がらせをしてきたではないか。トランプ大統領の今回の訪韓に際しても、晩餐会で元慰安婦を大統領に抱擁させたり、竹島近辺で採れた「独島エビ」の料理を出したりして、日本をこの上なく刺激した。
 慰安婦問題を解決する方法は、真実に関する情報を英語で多量に発信することである。これが最善の方法にほかならない。

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